内視鏡内科

内視鏡検査について

  • 当院では、三十数年以上の経験のある内視鏡学会指導医が検査を致します。
  • 胃カメラはほとんどが鼻から入れる内視鏡で、苦痛が少なく、鎮静剤は使用しません。
  • 鎮静剤を使用しないため、ご自身の検査状態を患者様専用の画面で、リアルタイムに、確認できます。
  • 大腸カメラの前処置の下剤は自宅で服用していただくため、気兼ねなく準備ができます。
  • 大腸カメラも苦痛の少ない検査を心がけていますので、基本的に鎮静剤は使用しません。
  • 内視鏡検査は検査直前の予約時間に来院していただき、検査後問題なければ、短時間で帰宅していただけます。
  • ちなみに、経鼻内視鏡は苦痛が少ないため、院長は自分で自分の胃カメラができます。

当クリニックでは、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡指導医・専門医、上部消化管内視鏡、大腸内視鏡スクリーニング認定医であり、三十数年以上の内視鏡医の経歴がある院長が内視鏡検査を担当します(一部、日本消化器病学会専門医である副院長が担当)。
経鼻内視鏡、経口内視鏡どちらかでの検査を選択可能で、通常の観察(白色光での観察)に加え、早期がんなどの病変を発見しやすく、ピロリ菌の感染状態等の胃粘膜の詳細を観察しやすい特殊光、画像強調を用いた観察を行っており、大腸内視鏡検査では、特殊光観察に加え、拡大機能のある内視鏡で、診断致します。

 
健診などで、ヘリコバクター・ピロリ抗体陽性を指摘されても、直ぐに除菌治療は受けないでください!! 後々問題(泥沼除菌など)となることがありますので、当院を受診してください。
 

具体的な検査の流れ

 
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
  1. 初回来院時
    初回、来院していただき、実際に内視鏡検査が必要な状態か、他の検査が必要か、追加検査が必要か、等々を判定し、内視鏡検査が必要な場合は、感染症の検査を施行し検査を予定します。症状が強い場合は、検査当日まで、検査に支障がない薬剤を投与することもあります。また、降圧剤、抗凝固剤等を服用している方は、個別に検査当日の服用の可否を判断させていただきます。(院内の医療器具はすべて使い捨て及び最新の洗浄器等で消毒された器具ですが、万全を期して、感染症をお持ちの患者さんは最後に検査を受けていただくこととしております。)
  2. 検査前日・当日の注意
    検査当日は、前日21時以降は固形物を摂取せず、来院してもらいますが、水、お茶などの摂取は可です。ただし、前日から、牛乳などの乳製品の摂取は禁です。
  3. 検査当日・検査中・検査後
    検査自体は10分程度で終了し、その後検査の説明をさせていただき、問題がなければ、帰宅していただきます。検査中は、モニター画像でご自分の消化管の中を見ながら検査を受けることができ、必要な内容なら医師と会話もできます。 通常、所要時間は前処置の時間を入れても30分~1時間程度で、特に問題がなければ、 検査終了後そのまま帰宅することができ、その後、仕事をすることなども可能です。
 
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
  1. 初回来院時
    初回来院時は、上部消化管内視鏡検査と同様ですが、大腸検査の場合は、前日の就寝前に服用する錠剤の下剤と、当日の早朝から服用する水で溶く下剤を処方しますので、服用の仕方の説明を聞いてから、帰宅していただきます。
  2. 検査前日
    検査前日の就寝前に錠剤の下剤を決められた錠数服用していただきます。
  3. 検査当日の前処置
    当日は、早朝から、下剤を水で溶いて指示通り服用していただき、便の状態が透明になってから、予約時間にあわせ来院していただきます。
  4. 検査当日・検査中・検査後
    大腸の長さ、前処置の状態等により、大腸の奥までの挿入の難易度に個人差がありますが、検査時間はおおよそ数十分で、その後、検査の説明をさせていただき、問題がなければ、帰宅していただきます。大腸の検査も上部消化管と同様、モニター画像をみながら受けることができます。
 

大腸の検査では、ほとんどの場合、拡大内視鏡での診断となるため、組織をとることなく診断ができ、検査後の出血のリスクもなく、特に問題がなければ、検査終了後短時間で帰宅可能です。

 
内視鏡システム

当院では、富士フィルムのレーザー光源搭載の新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」および、オリンパス社内視鏡システム「EVIS LUCERA ELITE(イーヴィス ルセラ エリート)」の2機種の内視鏡システムを導入しています。

通常の内視鏡システムでは、照明光として、キセノン光源による白色光が用いられ、白色光を粘膜表面に照らすことにより、 自然な色をモニター上に再現しますが、 光デジタル画像による画像強調を用いた観察では、光の波長を制御することとで、 粘膜表層の毛細血管やわずかな粘膜の肥厚、深部血管などを強調して、映し出します。 このような特殊光を用いた新しい内視鏡観察技術が光デジタルによる画像強調観察技術と呼ばれています。 当院では、世界で初めて照明光としてレーザー光を用いた新世代の内視鏡システムである富士フィルム社のLASEREO(レザリオ)及びオリンパス社が開発したNBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光)観察機能搭載の内視鏡システムを使用しています。 富士フィルム社のLASEREO(レザリオ)の照明光源には、2種類のレーザー光が使用され、従来と同等の白色光観察機能を有し、粘膜表層の微細血管、粘膜表面構造を 高コントラストに描出する狭帯域光観察機能であるBLI(Blue Laser Imaging)を有し、さらにレーザー内視鏡用の新たな画像処理機能として LCI(Linked Color Imaging)を搭載しています。

 
BLI(Blue LASER Imaging)画像

短波長狭帯域光観察BLIは、表層血管観察に適した短波長レーザー光を照射して得られる高コントラストな信号に画像処理を行うことによって、血管や表面構造の観察に適した画像を表示します。

 
【LCI(Linked Color Imaging)画像】

赤みを帯びた色はより赤く、白っぽい色はより白くなるように色の拡張・縮小を行い、粘膜の微妙な色の違いを強調し、炎症診断をサポートします。

 
LASEREO(レザリオ)の使用により

早期がんの診断に加え、胃がんなどの前段階である炎症の診断が、より確実なものとなります。 ピロリ菌感染の診療においても、粘膜の萎縮、腸上皮化生など、ピロリ菌感染の所見が観察しやすくなり、胃炎の状態が確実に把握でき、 ピロリ菌の感染診断はもちろん、当院で従来行っているピロリ菌感染によるガン化のリスク評価もより確実になります。 大腸の内視鏡においては、LCIでの観察を行うことにより、最近、ガン化が問題となっており、通常光の観察では、 発見が難しいとされている大腸腫瘍であるSSL(sessile serrated lesion)の発見率が上昇します。 さらに拡大内視鏡の機能を使用することにより、腫瘍の内視鏡的な診断がより確実になります。

 

参考
LASEREO(レザリオ)
光源・プロセッサー(LASEREO) : 機能・特長 | 富士フイルム ホームページ